ロシアのプーチン大統領は4日、カザフスタンの首都アスタナで会見した=ロイター

ロシアのプーチン大統領は4日、カザフスタンの首都アスタナで会見した。ウクライナ侵略の停戦条件について、ウクライナ側との明確な合意がなければ停戦できないとの考えを示した。核兵器を搭載可能な中・短距離ミサイルの生産準備ができているとも述べ、米国を威嚇する姿勢を示した。

プーチン氏は中国とロシアが主導する地域協力組織の上海協力機構(SCO)首脳会議の2日間の日程終了後、アスタナでロシアメディアの取材に応じた。

プーチン氏はウクライナ侵略を巡って「(ウクライナ側が)不可逆的でロシアに受け入れ可能な措置を取ることに合意する必要がある」と指摘した。こうした合意に達することなく停戦することは不可能と強調した。

同氏は6月にロシア外務省での演説でウクライナとの停戦の条件に触れ、ロシアが一方的に併合したウクライナ東・南部4州からのウクライナ軍の撤退が必要と主張した。自国に優位な条件での停戦交渉を主張する狙いで、ウクライナは反発している。

ロシア軍は東部ドネツク州の非制圧地域などに戦力を集中して投入しているもようだ。

プーチン氏はまた、ロシアの中・短距離ミサイルの生産について「生産を開始する準備ができており、すでに関連する指示を与えている」と述べた。米国が同種のミサイル配備を進めていることによる対抗措置だとプーチン氏は主張している。

ロシアは米国との中距離核戦力(INF)廃棄条約が2019年に失効した後に配備を自制していたが、最近はウクライナ侵略を巡って対立する米国への批判を強めて姿勢を転換しており、核の脅しを強めている。

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