イランの大統領選挙は、ことし5月にライシ大統領がヘリコプターの墜落事故で亡くなったことに伴うもので、6月28日の1回目の投票では、過半数の票を得た候補がいなかったため、上位2人による決選投票となりました。
投票は日本時間の5日午後1時半から始まり、首都テヘランの投票所には次々と有権者が訪れ、1票を投じていました。
決選投票は、改革派でイラン議会の副議長や保健相を務めたペゼシュキアン氏と、ライシ政権と同じ保守強硬派で国防や外交を統括する最高安全保障委員会の事務局長を務めたジャリリ氏の争いとなっています。
欧米との関係をめぐっては、ペゼシュキアン氏が制裁の解除を目指し関係改善を訴えているのに対し、ジャリリ氏は欧米と対立したままでも国内産業の育成や新興国などとの関係強化で制裁を克服できると主張しています。
また、女性に公共の場で着用が義務づけられているヘジャブをめぐって、改革派のペゼシュキアン氏は厳しい取締りを批判して対応の見直しを訴えている一方、ジャリリ氏は厳格な着用を継続すべきだという考えを示しています。
選挙では、一定の固定票が見込まれる保守強硬派に対し、改革派は浮動票をどれだけ取り込めるかがカギで、投票率も注目されます。
大勢は、6日にも判明する見通しです。
投票所では早朝から多くの人 それぞれの支持者は
イランの首都テヘランのモスクに設けられた投票所では、早朝から多くの人が列を作り、投票開始を待っていました。
投票が始まる現地時間の午前8時になると、有権者はそれぞれが支持する候補者の名前を記入し1票を投じていました。
改革派のペゼシュキアン氏を支持する38歳の女性は「私たちの国家の未来をつくり、息子によい教育をもたらしてくれる人物です。隣国や遠くの国ともより良好な関係を築けるでしょう」と話していました。
一方、保守強硬派のジャリリ氏を支持する51歳の男性は「イランはこれまでも強い国です。ジャリリ氏はライシ大統領の路線を継承しようとしています」として、欧米との対立もいとわない外交を展開してほしいと話していました。
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