【NQNニューヨーク=三輪恭久】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小動きで始まり、午前9時35分現在は前営業日3日に比べ22ドル47セント安の3万9285ドル53セントで推移している。主力株の一部に持ち高調整の売りが出ている。一方、同日朝発表の6月の米雇用統計は労働需給が総じて緩和する方向にあることを示し、投資家心理の支えとなっている面がある。
米株式市場は前日が独立記念日のため休場だった。今週は通常より市場参加者が少ないとみられ、積極的に持ち高を一方向に傾ける動きは限られている。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数が3日まで連日で最高値を更新した後で、主力株の一部には持ち高調整の売りが出やすい。
6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月に比べ20万6000人増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(20万人増)を上回った。一方、4月と5月はいずれも下方修正した。失業率は4.1%と、前の月や市場予想より0.1%高かった。平均時給の上昇率は前月比が0.3%、前年同月比が3.9%と、市場予想に一致した。
市場では、労働市場の過熱感が解消し、緩やかに正常化に向かっているとの受け止めがあった。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを始めるとの観測が高まり、米長期金利が低下。相対的な割高感が薄れたとの見方から、ハイテク株を中心に買いが入っている。ダウ平均は小幅な上昇に転じる場面がある。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやゴールドマン・サックス、トラベラーズが下落している。一方、アマゾン・ドット・コムとアップルは高い。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日続伸して始まった。
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