【パリ=北松円香】フランスで7日、国民議会(下院、定数577)の決選投票が始まった。世論調査では極右の国民連合(RN)が第1党に躍進する勢いだが、過半数には届かない可能性がある。マクロン大統領率いる中道の与党連合は議会で3番手の勢力に転落する見込みだ。
6月30日の初回投票では76の選挙区で50%以上の票を得た候補者の当選が確定した。残りの区で決選投票を実施する。投票結果は即日開票され、日本時間8日に大勢が判明する予定だ。
調査会社イプソスなどによる7月3〜4日の世論調査では、共闘勢力を含むRNの獲得議席は175〜205と解散前の88を大きく上回る。ただ過半数の289には届かない。左派連合の新人民戦線(NFP)は145〜175議席、与党連合は118〜148議席を見込む。
一時はRNが過半数の議席を得るとの見方もあった。与党連合と左派が決選投票での協力に踏み切り、形勢に変化が生じた。両党派は多くの区で候補者を一本化し、極右候補との一騎打ちの構図を作った。極右批判票を一人の候補に集めて当選を狙う。
イプソスによると2回目の投票率は68%に達しそうだ。前回の下院選(2022年、46%)から大幅に上昇する。マクロン氏による電撃解散や極右躍進の可能性を受けて有権者の関心が高まっている。
マクロン氏による6月9日の下院解散以降、研究者や人権団体、ミュージシャンなど幅広い層が極右台頭に対する懸念を表明してきた。
サッカーのエムバペ選手は4日、記者会見で「この国をあの人たち(極右)の手に渡してはいけない。緊急事態だ」と述べ、投票に行くよう呼びかけた。
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