【NQNニューヨーク=横内理恵】18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発し、前日比22ドル07セント(0.05%)高の3万7775ドル38セントで終えた。ディフェンシブ株の一角が買われ、ダウ平均を支えた。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が遅れるとの見方が引き続き相場の重荷となり、ダウ平均は下げる場面もあった。
経済指標の強さやFRB高官発言を受けて足元で米利下げ観測が大幅に後退している。18日発表の週間の米新規失業保険申請件数はダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想を下回った。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は同日朝のインタビューで、「利下げを急ぐ必要性を感じない」と述べた。米短期金利先物相場は年内に0.25%の利下げ1〜2回を織り込む水準となっている。
ただ、ダウ平均は今月に入って前日までに2000ドルあまり下げ、週初には約3カ月ぶりの安値を付けていた。急激に下げた後で目先の戻りを期待した買いが入った。投資家のリスク回避姿勢が強いなかで、ユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズなどのディフェンシブ株が物色された。
ダウ平均は午前に300ドルあまり上昇したものの、上値は重かった。利下げ観測の後退で米長期金利が上昇(債券価格は下落)しやすくなっている。この日は前日の4.58%から4.6%台に水準を切り上げ、株式の相対的な割高感が意識された。ダウ平均ではセールスフォースやマイクロソフトなど主要ハイテク株の売りが目立った。
半導体株の値動きも全般にさえなかった。18日に半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が発表した2024年1〜3月期決算と4〜6月期の売上高見通しは市場予想を上回った。生成人工知能(AI)開発向け半導体需要の強さが確認され、エヌビディアは上げた。一方、AI向け以外の低調が続くとの見通しからインテルなどが売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は5日続落した。前日比81.874ポイント(0.52%)安の1万5601.499と、約2カ月ぶりの安値で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたテスラが安い。18日に最新の生成AI基盤技術を発表したメタプラットフォームズは上げた。
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