ESAなどが開発を進めてきた新型の主力ロケット「アリアン6」は、9日、南米のフランス領ギアナから初めて打ち上げられました。

アリアン6は、搭載する人工衛星などの大きさや重さに応じて仕様を変えることができ、今回は全長が56メートルです。

ESAによりますと搭載された複数の小型衛星は無事に分離され、打ち上げは成功しました。

一方でロケットの2段目を大気圏に再突入させる試みは、補助エンジンのトラブルで実施できず、原因を調べるとしています。

アリアン6はこれまでの主力ロケットだった「アリアン5」の後継機として開発が進められ、2020年に最初の打ち上げを目指していましたが、開発が遅れていました。

この間、ヨーロッパの人工衛星などの打ち上げは、去年、運用を終えたアリアン5や、アメリカの「スペースX」のロケットに依存する状況となっていました。

ESAはアリアン6について、自前の打ち上げ手段を確保するとともに、人工衛星の打ち上げ需要が高まる中、旧型のロケットと比べて打ち上げにかかる費用を抑えることなどで、競争力の向上を目指すとしています。

ロケットの開発を巡っては日本も新たな主力ロケット「H3」で市場でのシェア獲得を目指していて、各国が激しい開発競争を続けています。

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