フランス政府は9日、パリ五輪にあわせて「空飛ぶタクシー」の離着陸場をセーヌ川の水上に建設することを承認した。26日~8月11日の五輪期間中、パリ市内での試験飛行が可能になる。AFP通信が伝えた。

 「空飛ぶタクシー」は独ボロコプター社の電動垂直離着陸機「ボロシティ」。まだ欧州航空安全局の認証を得ておらず、商業運航はできない。五輪期間中は無料の試験運転として飛ばす計画だという。このため、1日のフライトは2回までとなっている。

 「タクシー乗り場」にあたる離着陸場はパリ南東部にあるオステルリッツ駅近くのセーヌ川に設置される。シャルル・ドゴール空港などのパリ周辺にはすでに4カ所の離着陸場があるが、市内の設置は初めてだ。

 ただ空飛ぶタクシーをめぐっては、環境への負荷が高いとして批判の声がすでに上がり、パリ市当局も難色を示している。AFP通信がアンヌ・イダルゴ市長に近い複数の関係者の話として伝えたところによると、市は離着陸場の設置許可をついて裁判所に異議を申し立てる意向だという。(村上友里)

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