【バンコク=藤川大樹】タイの選挙管理委員会は10日、新たな上院議員200人を承認した。上院議員は憲法で政党所属を禁じられているが、地元メディアによると、保守派に近い「タイの誇り党」系が過半数を確保した。  昨年5月の下院選では、王室への中傷を禁じる「不敬罪」の改正などを掲げる「前進党」が第1党となった。ただ、首相指名選挙は下院議員と、軍政下で任命された上院議員による投票だったため、ピター前党首の首相就任は阻まれた。

タイ・バンコクの市街地(資料写真)

 新上院議員は首相指名選挙に参加できないものの、国家汚職防止委員会など独立行政機関の人事を承認したり、重要法案を上下両院で合同審議したりするなどの権限は変わらない。  上院選には4万8117人が立候補。新上院議員は司法や農業、医療、メディアなど20業種から各10人を選出。候補者による互選を繰り返して絞り込む方式で、一般有権者は投票できなかった。仕組みが複雑であるため、選管には約800件に上る選挙不正の訴えが殺到。当選者の資格審査に時間がかかり、結果発表は当初予定からずれ込んだ 

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