【モスクワ=共同】ロシアの極東開発を統括するトルトネフ副首相が12日、ロシアが実効支配する北方領土の択捉島を訪問した。現地島民が共同通信に明らかにした。チェクンコフ極東・北極圏発展相やサハリン州知事も同行した。
今年5月にロシアのプーチン大統領が通算5期目に入ってからロシアの閣僚が北方領土入りするのは初めて。
日本外務省は12日、副首相らの北方領土訪問は「日本政府の立場と相いれず、受け入れられない」と在日ロシア大使館に抗議した。
トルトネフ氏は択捉島で地元当局者らと島への投資誘致などについて協議した。
ロシアのウクライナ侵略後に日本は制裁を発動し、ロシアは領土問題を含む平和条約交渉の中断を表明。日ロの政治対話が停滞する中で、ロシアは外国企業も誘致した四島の開発を目指している。
日本政府によると、ロシア要人の北方領土訪問は昨年9月のイワノフ大統領特別代表の択捉島訪問以来。トルトネフ氏とチェクンコフ氏は昨年7月にも北方領土を訪問していた。
プーチン氏は今年1月に北方領土訪問に意欲を示したが、6月には訪問の具体的な計画は現時点でないと表明。一方でロシアに主権がある領土だとして将来の訪問には含みを残した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。