米共和党全国大会が15日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開幕した。大統領選に向けて、トランプ前大統領(78)を党大統領候補に正式に指名することが決まった。またトランプ氏は、副大統領候補にJ・D・バンス上院議員(39)を選んだ。バイデン大統領の撤退論をめぐって揺れる民主党は8月に党大会を予定しており、一足先にトランプ氏が11月の投票日に向けて選挙戦を本格化させる。

 党大会には全50州などから選ばれた約2300人の代議員が集まり、投票が集計された。各州での予備選で大勝したトランプ氏は、大多数の代議員の支持を得て、候補者指名を受けることが決まった。各州の代表者が順々にトランプ氏への投票を発表するたびに、会場からは大歓声が上がった。

 また指名が決まる直前には、バンス氏を副大統領候補に指名するとトランプ氏が発表。SNSに「熟考に熟考を重ね、多くの素晴らしい才能を考慮した結果、副大統領に最もふさわしい人物はJ・D・バンス上院議員だと判断した」と投稿した。

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 党大会では候補者指名に先立って、党の政策綱領も採択された。内容には色濃くトランプ氏の意向が反映されており、人工妊娠中絶を禁じるような保守的な政策は盛り込まれなかった。11月の投票日に向けて、中道寄りの有権者からの反発を避けるためのトランプ陣営の戦略だとみられている。

 トランプ氏は党大会の2日前にあたる7月13日、ペンシルベニア州での選挙演説中に銃撃され、右耳を負傷した。事件の衝撃が残るなかでの党大会となったが、トランプ氏本人はすでに現地入りしており、初日から党大会に姿をみせるとみられている。(ミルウォーキー=高野遼)

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