イラン中部のイスファハンで爆発音があった。
アメリカメディアは、「イスラエルによる攻撃だ」としている。
アメリカのニューヨーク・タイムズによると、イラン中部のイスファハンにある空軍基地で19日、爆発音が聞こえたとして、イスラエルがイランによる大規模攻撃に対する報復措置として攻撃したと報じた。
イラン側は、「爆発音は防空システムによる迎撃した音で、被害はない」と主張している。
また、イスファハンには核施設もあるが、CNNテレビは、イスラエルの標的は核施設ではないと報じているほか、イラン側も核施設に被害はないと伝えている。
最新情報を、イスタンブール支局・加藤崇記者が中継でお伝えする。
19日早朝から、イランで爆発が起きたとの一報から情報が錯綜(さくそう)している。
しかし、イラン側の対応に特徴がある。
アメリカメディアなどが爆発を報道したあと、すぐにイラン国営通信は、「爆発は防空システムが作動したもので、被害はない」と強調している。
そのうえで、国営テレビは中継で「真夜中、いくつかの小型ドローンが空を飛んでいましたが、今は、平和な街並みが見えています。人々は通常の生活を送っています」と放送しているほか、また、核施設の映像も流し、何もなかったことを印象づけている。
── イラン政府の意図はどこにあるのか?
4月、シリアにあるイラン大使館の建物が、イスラエルからとみられる空爆を受けた際に、イランの国民が強く反発し、報復をすぐに行わない政府に対して不満がたまっていた。
その圧力に負けて、異例とも言えるイスラエルへの直接的な大規模攻撃にふみ切らざるを得なくなった。
イラン政府は、「全面的な戦争は望んでいない」と話していて、今回、被害がないとアピールすることで、さらなる大規模な報復をしない方向に向かわせたい意図があるかもしれない。
続いて、アメリカ・ワシントンから、FNNワシントン支局・千田淳一記者が中継でお伝えする。
アメリカメディアは、政府関係者の話として、「イスラエルがイラン領内で、複数の攻撃を行った」と相次いで報じている。
また、バイデン大統領がホワイトウハウスで、今回の件について状況説明を受けたとみられる。
一方で、アメリカ政府は、イスラエル側から事前通知を受けたとのことだが、「攻撃を容認していない」と語っている。
── 今回、アメリカが反対する中で、イスラエルが攻撃にふみ切ったとみられている?
アメリカ政府内には、本当にイスラエルがイランに報復攻撃を行っていたとすれば、このまま全面戦争に向かっていくのではないかという危機感がある。
バイデン大統領が、4月14日にネタニヤフ首相との電話会談で、「イランとの間で緊張感が高まることは利益にならない」と警告し、自制を促していた。
こうしたことを受けて、イスラエルはアメリカに対して「攻撃を一時中止した」と伝えていた。
しかし、アメリカの「何があってもイスラエルを支援する」といった姿勢が、イスラエルを自由にしているとの声もあるため、アメリカの戦略を見直すべきとの見方が出ている。
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