【北京=河北彬光】台湾・台北市中心部の「中正紀念堂」にある初代台湾総統、蔣介石(しょうかいせき)の像の前で行われてきた衛兵の立哨と交代式が14日で廃止された。日本の観光客にも人気のスポットだったが、国民党の一党支配時代を率いた蔣介石の個人崇拝や権威崇拝につながるとして、民主進歩党(民進党)の頼清徳(らいせいとく)政権が見直した。

中正紀念堂の蔣介石像(写真奥)前で行われてきた衛兵の交代式=2023年、台北市で(河北彬光撮影)

◆人気の衛兵行進自体は場所を移して継続

 ただ衛兵が整然とした動作を披露する様子は根強い人気があることに配慮し、15日から屋外の広場で衛兵が行進する形に改めた。  蔣介石は1949年に中国大陸の国共内戦で台湾に逃れて以降、死去する1975年まで総統を務めた。民進党政権下の2007年に中正紀念堂を「台湾民主紀念館」に改称したが、国民党が政権奪還後の09年に元の名称に戻した経緯がある。 

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