【ワシントン=赤木俊介】米CNNテレビは16日、米当局がここ数週間でトランプ前大統領を狙ったイラン政府による暗殺計画の情報を入手し、シークレットサービス(大統領警護隊)の警備体制を強化していたと報じた。13日に東部ペンシルベニア州の集会でトランプ氏を銃撃したトーマス・マシュー・クルックス容疑者(20)との接点はないという。
CNNが複数の政府関係者の話として報じた。暗殺計画はトランプ前政権が2020年1月に無人機でイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害したことに対する報復とみられる。米国家安全保障会議(NSC)のワトソン報道官は16日、声明で「トランプ前政権の高官へ対するイランからの脅威は以前から監視してきた」と述べた。
NSCは暗殺計画の情報を直接シークレットサービスに伝え、シークレットサービスもクルックス容疑者による銃撃事件前にトランプ陣営へ情報を共有していた。警備を強化していたはずのさなかに事件が発生しており、シークレットサービスへの批判がさらに強まりそうだ。
米国では銃撃事件をきっかけに政治的暴力への懸念が高まっている。15日にホワイトハウスで記者会見したマヨルカス国土安全保障長官は「国内では過激派による暴力行為が活発化し、国外の脅威も増している」と述べ、「シークレットサービスを含め、我々は脅威を監視し続けており、常に(警備を)調整をしている」と説明していた。
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