アメリカのトランプ前大統領が、共和党大会に、異例ともいえる2日連続で登場しました。

トランプ氏は一見、観客の皆さんと近いようにも見えますが、周りにはシークレットサービスが配置されているほか、壁に囲まれた場所にあって、警備がかなり強化されている部分がわかります。

トランプ氏は前日と同じく、銃撃された右耳に白いガーゼのようなものを着けて姿を現し、熱狂する支持者らの大歓声に応えました。

そして会場には、共和党の候補者選びでトランプ氏と最後まで指名争いを繰り広げたヘイリー元国連大使も登場し、演説を行いました。

ヘイリー元国連大使:
トランプ氏から団結の名のもと、党大会で演説するよう依頼されました。トランプ氏は私の強い支持を得ています。

ライバルだったヘイリー氏は当初、党大会に招待されていませんでしたが、暗殺未遂事件後、トランプ氏が出席を要請。
反トランプの受け皿だったヘイリー氏からも支持を受けることで、トランプ氏の求心力を高める狙いも見えます。

一方のバイデン大統領は15日、NBCニュースに出演。
インタビュアーから、トランプ氏の暗殺未遂事件の前に支持者との電話の中で「トランプ氏を標的にする時だと述べた」ことを指摘されました。

バイデン大統領:
その言葉を使ったのは間違いだった。標的とは言っていない。焦点と言いたかった。

「標的」という言葉が暗殺未遂事件の引き金になったのではという批判も出る中、バイデン氏は、トランプ氏がやっていることや政策、討論会でついたうそに焦点を当てるべきだと言いたかったと説明しました。

さらにバイデン氏は16日、激戦州の1つのネバダ州で、黒人団体の前で演説。

暗殺未遂事件について、「我々は敵ではなく、暴力は解決策ではない」として団結を呼びかけました。

バイデン大統領:
私たちは敵ではない。友人であり隣人であることを忘れないでいてほしい。

バイデン氏は、これまで「民主主義の脅威」と厳しく非難してきた従来のトランプ批判を抑える一方で、「真実を語るのをやめるべきだという意味ではない」と述べ、トランプ氏への対決姿勢を強調しました。

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