【バンコク=藤川大樹】タイの首都バンコクにある高級ホテルの一室で16日、ベトナム系の男女6人の遺体が見つかった。6人は金銭トラブルを抱えており、死亡した1人が全員を毒殺した可能性が高いという。

17日、男女6人の遺体が見つかったタイ・バンコクの高級ホテル=藤川大樹撮影

 警察当局や地元メディアによると、16日午後5時半ごろ、バンコク中心部の「グランド・ハイアット・エラワン・バンコク」の従業員から通報があり、駆けつけた警察官が男女各3人の遺体を発見した。いずれもベトナム系で、うち2人は米国籍のパスポートを所持していた。  容疑者は米国籍の女性(55)とみられ、投資を巡り1000万バーツ(約4000万円)の負債を抱えていた。女性が持ちかけた投資の中には日本での病院建設が含まれていたとされる。6人は負債の交渉のため日本で会う計画を立てていたが、ビザ(査証)の関係でタイへ変更したという。  6人は13、14両日に空路でタイへ入国。男女はそれぞれ別々の部屋にチェックインしたが、遺体は一つの部屋で見つかった。争った形跡はなかった。部屋には手付かずの食事や白い粉の付着したコップなどが残されており、コップからはシアン化合物が検出された。  タイのセター首相は事件を受けて16日夜、現場を訪問。関係機関に対し観光業への悪影響を避けるため、迅速な対応を命じていた。 

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