ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=川上純平】17日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比76ドル53セント高の4万1031ドル01セントで推移している。半導体の対中規制強化に対する警戒感から、これまで上昇が目立っていた半導体株を中心にハイテク銘柄に売りが出ている。半面、米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測を背景に出遅れ銘柄への資金シフトが続いているのはダウ平均を下支えしている。

米ブルームバーグ通信は16日、バイデン政権が東京エレクトロンやオランダのASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、最も厳しい貿易制限措置をとることを検討していると同盟国に伝えたと報じた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)などに売りが出ており、投資家心理を冷やしている。ダウ平均は下げる場面がある。

半導体株安がハイテク株全般に波及し、ダウ平均の構成銘柄ではアップルやアマゾン・ドット・コムの下げが目立つ。マイクロソフトやセールスフォースにも売りが出ている。

もっとも、ダウ平均の下値は堅い。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの17日の報道によれば、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁はFRBによる利下げが今後数カ月で正当化される可能性があるとの考えを示した。過去3カ月の物価指標は「我々が求めていたインフレ鈍化のトレンドに近づいた」ことを示したと述べた。FRBが9月に利下げし、米経済を支えるとの見方が米株相場を下支えしている。

過熱感が意識されていた大型ハイテク株を売り、米株相場の上昇に出遅れていた銘柄に資金を振り向けるという流れが17日も続いている。ダウ平均の構成銘柄ではインテルやユナイテッドヘルス・グループ、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が上昇している。シェブロンやボーイングも買われ、ダウ平均を押し上げている。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落して始まり、下落率は2%を超える場面がある。メタプラットフォームズやネットフリックスが下げている。

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