5月に就任した台湾の林佳龍(リンチアロン)外交部長(外相に相当)が19日、台北で海外メディアとの記者会見に応じた。中台間の緊張が増す台湾周辺の安全保障環境について、日本との対話を強化することで「(台湾)有事の不確実性を減らすことができる」と日本の役割に期待感を示した。

 林氏は仮に台湾周辺で有事があった場合についても「日本は重要な役割を果たす」とも述べた。また、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に進出するなどしている近年の日台間の経済協力について、「経済安全保障にとってプラスとなる。台日の目標は一致している」と評価した。

 一方、米国で今年11月に予定されている米国大統領選の結果が米台関係に与える影響を問われると、「台湾と米国の関係については(米国で)党派を超えた支持がある」として影響はないとの見解を強調した。

 林氏は台中市長や交通部長(交通相)を経て外交部長に就任。国連大学(東京)で研究員を務めたこともある。(台北=高田正幸)

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