演説でトランプ氏は「民主党は、私が民主主義に対する脅威だと言い続けている。私がいったい何をしたというのか。私は先週、民主主義のために弾丸を受けた」と述べました。その上で、ミシガン州が自動車産業の盛んな地域であることを念頭に「自動車産業を復活させる」と主張し、支持を訴えました。

また、トランプ氏は、中国の習近平国家主席から見舞いの手紙を受け取ったことを明らかにし、「習氏はとてもすばらしい人物で美しい手紙をくれた」と述べました。

この日のトランプ氏は、事件の後、右耳を覆っていた白いガーゼは外し、ばんそうこうをつけていました。

一方、集会には共和党の副大統領候補に指名されたJ・D・バンス上院議員も参加し、選挙集会で党の正副大統領候補が初めて顔をそろえました。

バンス氏は「国境を封鎖し、アメリカを再び安全にする」と述べ、移民政策の強化を訴えました。

アメリカの有力紙、ワシントン・ポストによりますと、この日の集会は当初、屋外で開催される予定でしたが、警備上の理由で屋内施設に変更され、警備態勢も強化されたということです。

また当面、屋外での集会は行われないと伝えていて、選挙戦が本格化する中、銃撃事件が影響を及ぼしています。

開始7時間前には支持者の長蛇の列

トランプ氏の選挙集会の会場には開始から7時間前にはすでに支持者による長蛇の列ができていて、銃撃されたトランプ氏が拳を突き上げる様子を描いたTシャツを着ている人も目立ちました。

支持者の男性は「彼が銃撃事件のあとすぐに戻ってきてくれたことをうれしく思う。勇敢で、この国にとってよいリーダーであることを示している。彼は倒れない」と話していました。

別の支持者の男性は「私たちは活気に満ちている。それと同時に、トランプ氏がそれほど大きなけがを負わなかったことに安どしている。彼は4年前もすばらしかったがさらに偉大になるだろう」と話していました。

支持者の女性は、トランプ氏が副大統領候補にバンス上院議員を選んだことについて「バンス氏は厳しい子ども時代を過ごしてきたようだ。彼は大金持ちがバックにいるわけではなく、一からはい上がってきた。好意的に受け止めている」と話していました。

元主治医「傷の幅2センチ 耳の軟骨まで達した」

トランプ前政権時代にトランプ氏の主治医を務めた、ロニー・ジャクソン下院議員は20日声明を発表し、トランプ氏が銃撃事件で負った右耳の傷は幅2センチで、耳の軟骨まで達したと明らかにしました。

弾丸は、トランプ氏の頭部からおよそ6ミリのところを通過し、右耳の上部に直撃したとしています。

銃撃を受けた当初はかなりの出血があり、耳の上部が腫れたものの、その後腫れはおさまり、順調に回復しているということです。また傷口を縫合する必要はなかったということです。

今後、必要に応じて、聴力検査を行うなどして、回復の経過を見守るとしています。

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