韓国軍の合同参謀本部は21日、南北の軍事境界線付近の一部地域で実施していた拡声機を使った軍事宣伝放送を、全ての前線地域に拡大すると発表した。北朝鮮がこの日、再び韓国に向けて「ゴミ風船」を飛ばしたことへの対抗措置。双方の緊張がさらに高まる可能性がある。

 韓国軍はゴミ風船への対抗措置として6月、約6年ぶりに宣伝放送を約2時間実施した。だが、その後も北朝鮮のゴミ風船の飛来は続いた。今月18日に再度、北朝鮮が風船を飛ばしたことを受けて放送を再開。韓国メディアによると、西部、中部、東部で交代で行っていたが、21日からは拡声機を全て同時に稼働させるという。

 北朝鮮側の前線の兵士や住民の心理的な動揺を誘う金正恩(キムジョンウン)体制の批判やK―POPなどが放送されることから、北朝鮮の強い反発が予想される。

 北朝鮮は5月下旬から断続的に「ゴミ風船」を飛ばしていて、今回で9回目。韓国軍によると約360個が飛来し、大半が紙くずだったという。韓国軍は「(北朝鮮が)低レベルで稚拙な行為を繰り返している」と批判した。(ソウル=太田成美)

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