11月の米大統領選で再選を目指した民主党のバイデン大統領(81)が21日、撤退を表明した。6月の討論会で高齢による心身の衰えへの懸念が再燃し、民主党内で交代を求める圧力が強まっていた。後継候補としてカマラ・ハリス副大統領(59)を指名した。

バイデン米大統領=2023年6月(吉田通夫撮影)

バイデン氏は声明を発表し、「民主党や国にとって、私が選挙戦から退き、大統領としての任期をまっとうすることに集中することが最善だと考える」と説明。求心力を高める共和党候補のトランプ前大統領(78)に対抗するため、民主党に団結を呼び掛けた。週内に、さらに詳しく説明する考えも示した。 ハリス氏は、バイデン氏からの支持を「光栄だ」として、8月の党大会で指名を勝ち取る決意を表明した。  再選を狙った現職大統領が撤退に追い込まれるのは、ベトナム戦争の反対運動に直面した1968年のジョンソン大統領以来56年ぶり。二大政党の候補選びが事実上終わった段階の撤退は極めて異例。

撤退を表明したバイデン氏の声明(スクリーンショット)

ハリス氏は父親がジャマイカ出身、母親はインド出身の移民2世。女性としても黒人としても、米国史上初めての副大統領となった。 トランプ氏は自身のSNSで、撤退を表明したバイデン氏について「大統領としても大統領候補としてもふさわしくなかった」と非難した。 

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