ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=戸部実華】22日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発して始まり、午前9時35分現在は前週末比168ドル85セント高の4万0456ドル38セントで推移している。前週末までの2日間でダウ平均は910ドル下げ、自律反発狙いの買いが優勢となっている。エヌビディアなど主力の半導体株やハイテク株が上昇していることも、投資家心理の改善につながっている。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、エヌビディアは3%ほど上昇する場面がある。ロイター通信によると、中国への輸出規制に沿った同国市場向けの新たな人工知能(AI)半導体を開発しているという。前週に下げが目立った他の主力ハイテク株にも買いが入り、米株相場を支えている。

バイデン米大統領は21日、11月の米大統領選挙からの撤退を表明し、後継候補としてハリス副大統領を支持すると明らかにした。市場では想定されていたとの見方がある半面、「新たな政治的な不確実性につながる」(ボルヴィン・ウェルス・マネジメント・グループのジーナ・ボルヴィン氏)として相場の変動率が高まるとみる市場参加者もいる。

共和党のトランプ前大統領が大統領選を優位に進めれば米中対立の深刻化や台湾情勢を巡るリスクの高まりにつながるとの見方から、売られていた半導体関連株などに買いが入っている面もある。22日の米債券市場では、長期金利の上昇が一服している。金利低下を受け、株式の相対的な割高感が薄れ、高PER(株価収益率)のハイテク株などを中心に買いを支えている。

ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトやアップルなどが高い。アムジェンやホーム・デポ、ナイキ、JPモルガン・チェースも買われている。

一方、ベライゾン・コミュニケーションズは大幅安で始まった。22日朝に発表した2024年4〜6月期決算で売上高が市場予想を下回った。ウォルト・ディズニーやコカ・コーラも安い。前週に上昇が目立っていた銘柄にも売りが出て、ダウ平均は小幅な下落に転じる場面がある。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反発して始まった。上昇率は1%を超える場面がある。テスラやメタプラットフォームズなどが高い。一方、前週末に世界各地で発生したコンピューターの大規模なシステム障害の原因となったセキュリティーソフトを手掛けるクラウドストライク・ホールディングスは22日も大幅安で始まった。

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