【NQNニューヨーク=戸部実華】23日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比57ドル35セント(0.14%)安の4万0358ドル09セントで終えた。取引終了後の大型ハイテク企業の決算発表を前に様子見の姿勢が広がり、持ち高調整の売りが優勢だった。相場全体を動かす材料に乏しいなか、決算発表など個別に材料が出た銘柄の売買が目立った。

来週にかけて大手ハイテク企業の決算発表が相次ぐなか、23日の取引終了後に発表を控えていたアルファベットとテスラの決算を見極めたい雰囲気が強かった。「人工知能(AI)向けを手掛ける半導体企業は好調だが、アルファベットなどのAIの収益化をみたい」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。

週後半には2024年4〜6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値や6月の米個人消費支出(PCE)物価指数も発表される。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを始めるとの観測が高まるなか、経済指標の内容を確認したい投資家も多い。相場全体が方向感を欠くなかで、取引終了にかけて主力株の一部に持ち高調整の売りが出た。

市場では「関心は企業の決算発表に向かっており、材料が出た個別株の動きが中心になった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との見方もあった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、決算を発表した音楽配信のスポティファイ・テクノロジーや航空エンジンのGEエアロスペースが大幅高となった半面、物流のUPSと自動車のゼネラル・モーターズは下げが目立った。

ダウ平均の構成銘柄では、大口投資家が株式を売却したと伝わったウォルト・ディズニーが3%下げた。米原油先物相場が下落し、シェブロンも安い。マクドナルドやナイキ、インテルも売られた。

一方、ボーイングは4%高となった。22日開幕した世界最大級の航空ショー「ファンボロー国際航空ショー」で日本航空(JAL)を含む複数の航空会社からの受注を明らかにした。アナリストが目標株価を引き上げたアマゾン・ドット・コムも買われた。コカ・コーラは小幅高となった。朝に発表した2024年4〜6月期決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったうえ、24年12月期通期の見通しを引き上げ、好感した買いが入った。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は小幅に反落した。前日比10.217ポイント(0.05%)安の1万7997.351で終えた。エヌビディアなど半導体関連株は売りが優勢だった。テスラも下げた。メタプラットフォームズやアルファベットは小幅に上昇した。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。