バングラデシュでは、1971年の独立戦争で戦った兵士の家族のための公務員採用の特別枠について、政府が廃止する決定をしたものの先月(6月)、高等裁判所が政府の決定は違憲だとする判断を示しました。

これに激しく反発した学生などによる大規模なデモが広がり、首都ダッカなどでデモ隊と治安部隊の衝突が繰り返され、地元メディアは、少なくとも150人が死亡したと伝えています。

こうした中、最高裁判所が21日、公務員の特別枠を大幅に縮小する決定を行って以降は、抗議デモも沈静化してきています。

NHKの取材に応じたジェトロ・ダッカ事務所の安藤裕二所長は、「政府の外出禁止令も緩和され、多くの日本企業が工場を一部再開するなど操業を開始する動きが出ている」と話していました。

一方で、ダッカでは、街の至るところに兵士や装甲車が配置されるなど、ものものしい雰囲気が続いているということです。

現地では野党側への強権的な姿勢をみせるハシナ政権が多くの死傷者が出た今回の事態についても野党が扇動したとして非難し、野党の幹部やメンバーを次々に拘束するなど、依然として緊迫した情勢が続いています。

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