【ニューヨーク=竹内弘文】25日の米株式市場ではテクノロジー銘柄の売りが継続した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は前日比0.9%安の1万7181.72で引け、約1年9カ月ぶりの下落率を記録した前日からの流れを反転できなかった。4〜6月期の国内総生産(GDP)は予想を上回る実質成長率となったが、米株は底上げ相場とはならなかった。
多くの機関投資家が参照するS&P500種株価指数は0.5%安の5399.22だった。一方で景気敏感株の比率が高い大型株指数、ダウ工業株30種平均は小幅反発して81ドル(0.2%)高の3万9935ドルで引け、中小型株指数ラッセル2000は1.3%高だった。大型テック銘柄の劣勢、中小型株・景気敏感株の優勢という構図が指数ごとの動きに表れる。
朝方発表になった4〜6月期の実質成長率は年率換算で2.8%となり、2%台前半の市場予想を上回った。個人消費や設備投資の伸びが押し上げた。
「米連邦準備理事会(FRB)は来週の政策金利据え置きに安心感を持つだろう」。英キャピタル・エコノミクスのスティーブン・ブラウン副チーフ北米エコノミストは指摘したうえで「最近の労働市場の緩みとインフレ鈍化を受けて、9月利下げの可能性は依然高い」とみる。軟着陸(ソフトランディング)期待が景気敏感株や中小型株を支えている。
対照的に、これまで人気が集中していたテック株には売り圧力がかかり続けている。半導体最大手エヌビディアは25日も2%安となり、3日続落となった。主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)も2%安で、100日移動平均を下回った。
人工知能(AI)普及に伴う爆発的な需要拡大を見込んで、半導体大手や大手IT(情報技術)はAI投資を加速してきた。株式市場でも投資成果の結実を当て込んで各銘柄にマネーが殺到し、相場をけん引してきた面がある。
ただ市場予想を下回った米グーグル持ち株会社アルファベットなどの決算発表を受けて「市場が期待していたほどのAI投資回収は実現しそうにない」(米証券ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との受け止め方が一部に出てきた。テック株に対する期待の持続いかんは、30日予定のマイクロソフトなど残りの大手IT銘柄の決算内容にかかっていそうだ。
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