【ワシントン=鈴木龍司】米国のバイデン大統領とハリス副大統領は25日、ホワイトハウスで、イスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イスラム組織ハマスとの戦闘について協議した。11月の大統領選で民主党の候補指名を確実にしているハリス氏は、パレスチナ自治区ガザの人道状況への懸念を伝え、早期の停戦合意を求めた。

◆「2国家共存」目指す方針、明らかに

 ネタニヤフ氏のホワイトハウス訪問はバイデン政権下では初めて。同日昼過ぎにバイデン氏と協議に臨み、その後、南部テキサス州での選挙集会を終えたハリス氏とも会談した。

カマラ・ハリス副大統領=2022年撮影(資料写真)

 ハリス氏は会談後、記者団に「ハマスは残忍なテロ組織だ。イスラエルは自国を防衛する権利を持っている」と強調。その上で「ガザの悲惨な人道状況に深刻な懸念を表明した」と語り「私は黙っていない。戦争を終わらせる時が来た」と話した。ハマスに捕らえられた人質の解放と停戦合意に向けてリーダーシップを発揮する決意を示し、パレスチナ国家の樹立を通じた「2国家共存」の実現を目指す方針も明らかにした。  バイデン氏は会談の冒頭「話し合うことが多くある」と述べ、ネタニヤフ氏に早期の停戦合意を働きかけた。ネタニヤフ氏は大統領選からの撤退を決めたバイデン氏に、これまでのイスラエル支援への謝意を伝えた。両氏の対面での会談はバイデン氏がイスラエルを訪問した昨年10月以来で、人質の家族とも面会した。

◆ネタニヤフ氏、トランプ氏とも会談へ

 戦闘の長期化により、ガザ地区では民間人を含めて4万人近くの犠牲者が出ており、米国内ではイスラエルへの軍事支援を継続するバイデン政権への反発が高まっている。カービー米大統領補佐官は同日の記者会見で「隔たりは残っているが、これまでになく合意に近づいている」との見通しを語った。  ネタニヤフ氏は26日に共和党のトランプ前大統領との会談を予定している。大統領選をにらみ、軍事支援の継続を求める見通し。 

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