イスラエル軍は27日、パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、住民の安全な退避場所として指定した「人道地区」の一部に避難命令を出した。ガザ保健省は、この直後のハンユニスへの攻撃で23人が死亡したと発表した。

 軍は声明で、ハンユニス南部の「人道地区」に、イスラム組織ハマスが軍事拠点を置いていると指摘。避難命令の数時間後には、ハンユニスを含むガザ全域で攻撃を継続していると発表した。

 ハンユニスでは22日にも「人道地区」に避難命令が出され、ガザ保健省によると、直後の攻撃で70人以上が犠牲になっている。

 ガザ中部では27日、軍がハマスの拠点となっていると主張し、多くの人が避難している学校を攻撃した。中東の衛星放送局アルジャジーラは新たな避難命令後、ガザ中部の病院に救急車がひっきりなしに到着する様子を中継。ガザ保健省は、一帯への攻撃で30人が死亡したとしている。

 国連などによると、避難対象の「人道地区」では、テントの下で暮らす避難民が密集していた。国連人道問題調整事務所(OCHA)は26日、すでに過去4日間で18万人以上が避難を強いられていると報告した。一部の住民は避難できず、攻撃にさらされているという。(エルサレム=今泉奏)

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