ロシアの軍事ブロガーなどは28日、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の残党が西アフリカのマリで政府軍とともに、反政府勢力の攻撃を受け、大きな被害を受けたと報じた。数十人が死亡した可能性があり、アフリカ進出後の単発の戦闘では「最大の損失」との見方も出ている。

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 軍事ブロガー「ライバー」によると、攻撃を受けたのは7月下旬。マリ北部で政府軍と撤退中、反政府勢力に襲撃され、数十人が死傷し、一部は捕虜になった。ワグネルの活動を継承するロシア国防省傘下の「アフリカ部隊」とともに身代金交渉をし、一部は解放に成功したという。

 ロシア治安機関に近いとされる「バザ」は、ワグネル系のテレグラムチャンネル「グレーゾーン」の運営者ら少なくとも20人が死亡したと報道。英字メディア「モスクワ・タイムズ」は、ワグネルがアフリカで活動を開始して以来、単発の戦闘では「最大規模の損失だ」と報じている。

 SNSでは反政府勢力に攻撃を受けたとされる映像や、死亡した戦闘員らの写真などが投稿されている。ロシアの軍事ジャーナリストは「戦いをよく知る本物の戦闘が去り、初心者が来ていた」と指摘し、警戒が不十分だったと批判している。

 ロシアメディアなどによると、ワグネルは少なくとも2021年からマリに駐留している。ワグネルは昨年6月にロシアで反乱に失敗し、創設者のエフゲニー・プリゴジン氏も飛行機墜落で死亡。実質的に解体され、ロシア国防省やロシア軍などに吸収されている。

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