【NQNニューヨーク=戸部実華】30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比117ドル70セント高の4万0657ドル63セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げに転じ、米景気はソフトランディング(軟着陸)できるとの観測が根強く、相場を支えている。一方、大型ハイテク企業の決算発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)などの重要日程を前に、内容を見極めたい雰囲気も強い。
FRBは30〜31日に開くFOMCで政策金利を据え置く公算が大きい。市場は次回9月の会合での利下げ開始を見込むなか、今会合後のパウエル議長の記者会見で政策見通しを探りたい雰囲気がある。30日午前には6月の米雇用動態調査(JOLTS)、8月2日には7月の米雇用統計など注目度の高い指標の発表も相次ぐ。景気動向を確認したい市場関係者も多い。
米主要企業の決算発表がヤマ場を迎えている。30日の取引終了後にはマイクロソフトが2024年4〜6月期決算を発表する。人工知能(AI)関連の収益寄与に関心が高まっている。31日にメタプラットフォームズ、8月1日にアップルとアマゾン・ドット・コムがそれぞれ四半期決算を発表するのを前に、積極的な売買は手控えられている。
個別銘柄では、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、ウォルト・ディズニーなど景気敏感や消費関連株が買われている。ユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズも高い。
一方、朝方に24年4〜6月期決算を発表した銘柄は大幅に下げている。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は売上高が市場予想を下回った。メルクは決算と併せて発表した24年12月期通期の1株利益見通しを市場予想に届かないレンジに下方修正した。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸して始まった。
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