ひぼう中傷を受けた選手は…
審判へのひぼう中傷 選手も懸念
何がひぼう中傷になるのか?
《全文》JOC=日本オリンピック委員会の声明
柳井選手のXより「たくさんの方から厳しい言葉に傷つきました。試合前は余計神経質になり、繊細な心になります。批判ではなく応援が私たち選手にとって力になります。批判は選手を傷つけます。このようなことが少しでも減って欲しいと願っています」
出口選手のXより「選手をかばいたくなる気持ちもわかるけど、こういう所での不毛な争いは国や選手、いろんな人を巻き込んでマイナスなイメージを植え付けるだけで得する人は誰1人としていないです。ネガティブな意見を持つなと言っているのではなくて他人が悲しくなるような言葉の矢をわざわざ放たなくてもいいのではないでしょうか」
今回、取り沙汰されている判定をめぐる審判へのひぼう中傷については、当事者である選手も懸念を示しています。柔道男子60キロ級の永山竜樹選手は先月27日、スペインのフランシスコ・ガルリゴス選手と準々決勝で対戦し、絞め技で一本負けを喫しました。この際、審判の「待て」がかかったあともガルリゴス選手が絞め技をかけ続けたとして永山選手側が抗議しましたが、判定は覆りませんでした。
試合後、ガルリゴス選手のSNSには「危険な行為だ」などとする批判が大量に寄せられました。また、審判を務めた女性に対してもSNSで「誤審だ」とか、「買収されている」などの書き込みが相次ぎ、「柔道の審判」が一時、旧ツイッターのXでトレンドワードに入りました。こうした中、永山選手は自身のインスタグラムに「お互い必死に戦った結果なので、選手へのひぼう中傷などは控えていただきたいです。審判の方も判断の難しい状況だったと思います」などと投稿したほか、ガルリゴス選手と2人で撮影した写真もアップし、謝罪のことばがあったことを明かしました。
ソーシャルメディアに詳しい国際大学の山口真一准教授は、ひぼう中傷は内容によって類型があるとしています。
(中傷の類型) (例)1. 脅迫・恐喝 「殺す」「死ね」2. 侮辱的・攻撃的 「バカ」「消えろ」3. 容姿・人格否定 「顔が気持ち悪い」4. 親族・組織への悪口 「おまえの親はクズだ」5. 差別的な内容 「男・女のくせに」6. 不幸を望む・呪う 「車にひかれろ」7. 排除 「あなたの話は聞かない」8. 嘘の情報 「反社会的勢力とつながっている」9. 性的表現 「裸を見せろ」
いつもTEAM JAPANを応援いただき、誠にありがとうございます。応援いただく皆さまへ改めてSNS等の投稿に関してお願いがあります。アスリートは4年に一度開かれるオリンピックに向けて、自分自身のため、そして支えてくださる多くの方のため、人知れず努力を重ねてきました。どのアスリートも、一瞬一瞬を無駄にせず、緊張の中で、自身が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、調整して大会に臨んでいます。中には、試合前にコンディションを見極めて厳しい選択をせざるを得ないこともあります。どれだけ準備を重ねても、試合では予期せぬこともたくさんあります。そのすべてを受け入れて、自分にできる最高のパフォーマンスを発揮すべく、アスリートはその場に立っています。応援いただく皆さまに、是非アスリートがこれまで歩んできた道のりにも思いをはせ、その瞬間を見守り、応援いただけますと幸いです。オリンピックに臨むアスリートは、相手をリスペクトしています。体操競技では、自身の演技が終わった後、ライバルが演技を開始するにあたり、口に指をあてて、観客に静かにするよう求める選手がいました。柔道では、試合の時には納得がいかないことがあっても、競技後に互いの健闘をたたえ合う選手がいました。スポーツで自身の競技力を高めるには、競い合う相手が必要です。対戦相手は、戦う相手であるとともに、ともに高め合う仲間でもあります。そのリスペクトこそが、自身の競技力を高め、スポーツの価値をより高めるものと信じています。SNS等を通じた皆さまからの激励・応援メッセージは、アスリート、監督・コーチへの大きな力となっています。その一方で、心ない誹謗中傷、批判等に心を痛めるとともに不安や恐怖を感じることもあります。TEAM JAPANを応援いただく皆さまには、誹謗中傷などを拡散することなく、SNS等での投稿に際しては、マナーを守っていただきますよう改めてお願い申し上げます。なお、侮辱、脅迫などの行き過ぎた内容に対しては、警察への通報や法的措置も検討いたします。皆さまのご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。
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