体操女子個人総合で優勝し、笑顔で歓声に応える米国のシモーン・バイルス選手(パリ)=共同

【ワシントン=共同】パリ五輪の体操個人総合で2大会ぶりに女王の座に返り咲いた米国の黒人シモーン・バイルス選手が2日、「黒人の仕事を愛している」とX(旧ツイッター)に投稿した。米メディアは黒人の職業を限定するかのような発言を続け、差別的と批判されている大統領選の共和党候補、トランプ前大統領を皮肉ったと伝えた。

トランプ氏は、大量の不法移民が「黒人の仕事」を奪ったとの持論を繰り返している。有力な黒人団体、全米黒人地位向上協会(NAACP)は「『黒人の仕事』などというものはない」と反発している。

バイルス選手は、笑顔で金メダルを見せる自身の写真をXに載せた民主党支持者の掲示を再投稿し、黒のハートマークも添えた。トランプ氏には直接言及しなかった。

プロバスケットボールNBAのスーパースターで黒人のレブロン・ジェームズ選手も、バイルス選手のメッセージと共に、英語で史上最高を意味する略語「GOAT」とつづりが同じで同選手を象徴する「ヤギ」の絵文字と黒いハートマークを投稿し、共鳴した。

トランプ氏は7月31日、中西部シカゴでの全米黒人記者協会の会合で「国境から押し寄せる人々が黒人の仕事を奪っている」と危機感をあおったが、専門家は黒人の雇用状況は堅調で事実に基づかないと反論している。

バイルス選手は前回東京五輪の決勝を精神的ストレスで棄権したが、パリ五輪では圧巻の演技で個人総合と団体総合の2冠を達成した。

【関連記事】

  • ・トランプ氏、ハリス氏は「突然黒人に」 差別的と波紋
  • ・米大統領選 「ハリスvsトランプ」確定 民主主義巡り激突

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。