先月26日に行われたパリオリンピックの開会式では、女装したダンサーらが並んだ様子が、キリストと弟子を描いたレオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」の構図に似ていたことから、キリスト教をやゆしているなどとして、批判が上がっています。

ローマ教皇庁は3日「開会式のいくつかの場面に対し心を痛めるとともに、多くのキリスト教徒やほかの宗教の信者に不快な思いをさせたことを悲しむ声に同調せざるをえない」として、演出内容に不快感を示す異例の声明をフランス語で発表しました。

その上で「全世界が共通の価値観のもとに集う名誉あるイベントで、多くの人の宗教的信念をあざ笑うような表現はあってはならない」と指摘し、表現の自由は、他者への敬意を欠いてはならないとしています。

演出家 トマ・ジョリー氏「最後の晩餐」からの着想否定

開会式の芸術監督を務めた演出家のトマ・ジョリー氏は「最後の晩餐」から着想を得たことを否定し、「多様性の受け入れや優しさ、寛容さ」が演出のねらいだったと説明しています。

開会式の演出をめぐっては、ジョリー氏がオンライン上で殺害予告の脅迫を受けたと訴え、当局が捜査する事態にもなっていて、波紋が広がり続けています。

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