【ソウル=木下大資】韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は22日、自身を補佐する秘書室長に、10日の総選挙で落選した側近の鄭鎮碩(チョンジンソク)氏を任命すると発表した。国会の経験豊富な鄭氏を起用し、多数派を占める野党との円滑な関係を模索する。

韓国の尹錫悦大統領(資料写真)

 鄭氏は国会議員を5期務めた重鎮。尹政権発足直後に韓日議員連盟会長に就任した。22日の記者会見で「私は尹大統領に政治に身を投じるよう勧めた人間で、困難を共に乗り越えていくことが責任を果たす道だ。統合の政治を導くよう補佐する」と話した。

◆「コミュニケーション不足」批判を意識か

 尹氏は「野党やメディアと円満な疎通を期待している」と説明。1年5カ月ぶりに記者の質問にも答えた。「コミュニケーション不足」との批判を意識しているとみられる。  尹氏が最側近の鄭氏を起用することに、最大野党「共に民主党」報道官は「コミュニケーション不全の国政を転換しろという国民の命令に背を向けた人事だ」と反発した。  総選挙で与党「国民の力」が大敗した後、尹氏の支持率は過去最低水準に落ち込んでいる。韓国ギャラップの19日発表では23%で、就任後最低を記録した。 

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