ユヌス氏の政権参加に期待する声があった=AP

【ニューデリー=時事】バングラデシュのシャハブッディン大統領は6日夜、ハシナ首相の辞任を受け、反政府デモを呼び掛けた学生団体指導者や軍幹部らと会談し、同国のノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏(84)が最高顧問として率いる暫定政権の発足を決めた。当面は治安回復と政治的分断の修復に取り組む方針。

大統領府の声明によると、シャハブッディン氏は「危機克服のため、できるだけ早い暫定政権の発足が重要だ」と述べ、国民の協力を求めた。政権の他のメンバーは政党との協議の上決めるとした。

決定に先立ち、議会は解散した。近く総選挙が行われる見通し。1月の総選挙では主要野党がボイコットする中、ハシナ氏率いる与党アワミ連盟(AL)が圧勝した。

ユヌス氏は貧困層の自立を支援する「グラミン銀行」の創設者。貧困撲滅への貢献が評価され、2006年に同銀行と共にノーベル平和賞を授与された。AFP通信に対し「母国と国民の勇気のため私の行動が必要なら、そうする」と述べ、最高顧問の就任要請を受ける考えを示した。

6日は外出禁止令が解除され、首都ダッカで暴力行為はおおむね沈静化した。リキシャ(自転車タクシー)運転手の男性(60)はAFPに対し、ハシナ氏が権力を握っていた約15年間、「人々はいかなる平和も得られなかった」と語り、同氏の辞任を喜んだ。

ハシナ氏が脱出した隣国インドのジャイシャンカル外相は議会の演説で、法と秩序が回復されるまで情勢を注視すると述べた。

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