戦闘開始から10か月 死者は3万9653人に
ガザ地区ではイスラエルとハマスの戦闘が始まって7日で10か月となりますが、イスラエル軍は南部ハンユニスなどで攻勢を強めていて、戦闘がやむ兆しはありません。
ガザ地区の保健当局は6日、これまでの死者が3万9653人にのぼったとしていて、犠牲者が増え続けています。
イランの呼びかけでOIC緊急会合へ
ガザ地区でイスラエルとの戦闘を続けるハマスのハニーヤ最高幹部が先月31日、訪問先のイランで殺害されたことを受けて、イランはイスラエルによる攻撃だとして報復する構えで、イランが支援する武装組織も報復に加わる可能性が指摘されています。
殺害から1週間となる7日にはイランの呼びかけでOIC=イスラム協力機構の外相級の緊急会合が開かれることになっていて、イランとしてはイスラム諸国からの理解と支持を得たい考えです。
ヒズボラ 最高指導者「強力で効果的な報復を行う」
イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織、ヒズボラの最高指導者ナスララ師は6日「われわれは強力で効果的な報復を行う」と述べて、報復を行う姿勢を強調しました。
イスラエルの北部では、6日もヒズボラによる無人機攻撃があり、地元メディアは市民や兵士など19人がけがをしたと伝えるなど、緊張が続いています。
イスラエル ガラント国防相「防衛態勢を強化」
イスラエルのガラント国防相は5日に続いて6日も空軍の部隊を視察し「日を追うごとにわれわれは防衛態勢を強化し、攻撃能力も高めている」と述べ対抗措置を行う姿勢を示し、イラン側を改めてけん制しました。
ハニーヤ最高幹部の後任にヤヒヤ・シンワル指導者
イスラム組織ハマスは6日、ガザ地区のトップのヤヒヤ・シンワル指導者を、殺害されたハニーヤ最高幹部の後任として政治局長に選んだと発表しました。
イスラエル軍はシンワル指導者を去年10月のハマスによる大規模な奇襲攻撃の首謀者だとして非難し、ハマスの壊滅に向けた殺害のターゲットとしています。
シンワル指導者がハマスの政治部門のトップとなったことでイスラエルとの停戦交渉への影響も注目され、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは交渉のプロセスが複雑化し、交渉が長引く可能性があると指摘しています。
“国境なき医師団”日本人看護師「住民は停戦を望んでいる」
看護師の本川才希子さんは国境なき医師団の一員としてガザ地区南部ハンユニスにある地域の中核病院のナセル病院で、医療従事者の管理業務などにあたっています。
本川さんは6日、NHKのインタビューに応じ、戦闘が続く現地の様子について「病院の近くにミサイルが落ちたり、空爆の振動を感じたりすることもある。現地のスタッフが避難を余儀なくされることもあり、スタッフのことも、患者への医療が滞ることも心配だ」と述べました。
また、ナセル病院にはイスラエル軍の空爆で連日、多くのけが人が運び込まれていて「一度にたくさんの患者を受け入れることで傷が治りきっていない患者や状態が安定していない患者を退院させなければいけないこともあり、非常に心苦しい。ほかの病院に転院させようにもどこもいっぱいで行き場がない状態だ」として、現地の厳しい医療環境を訴えました。
そのうえで「医薬品なども安定的にガザ地区には入ってきておらず、毎日、物資の不足に直面している」と話していました。
本川さんは「人々の生活も苦しい状況で住民は停戦を望んでいる。私もこれ以上、多くの市民が傷つかないことを望んでいる」として、一刻も早い停戦を訴えていました。
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