【キーウ=共同】ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は7日、前日朝からウクライナと国境を接するロシア西部クルスク州のスジャ地区にウクライナ軍の兵士約1000人の越境攻撃があったとプーチン大統領に報告した。ウクライナ軍の進軍は食い止めたものの、7日現在でロシア領内にウクライナ兵が残っているとし、掃討作戦が続いていると述べた。クルスク州には7日から非常事態が宣言された。
これまでにもウクライナ側の地上越境攻撃はあったが、2022年2月のロシアによるウクライナ侵略開始以降で今回が最大規模とみられる。ウクライナ側は公式声明などを発表していない。
スジャ地区にはロシアがウクライナ経由で欧州に天然ガスを輸出するパイプラインの関連施設があり、ロシア政府系メディアはこの施設をウクライナ側が制圧したと報じた。ウクライナ側が3つの村落を制圧したとの情報もあるが真偽は不明。
ロシア側によると、ウクライナ側の住宅や救急車に対する砲撃や無人機などの攻撃で住民ら5人が死亡し30人以上が負傷。ゲラシモフ氏はウクライナ兵100人以上を殺害し戦車7両などを破壊したと主張した。ウクライナ兵を国境外に追い出すまで掃討作戦は続くとプーチン氏に報告した。
インタファクス通信によると、ロシア政府系天然ガス企業ガスプロムは7日、スジャ地区を経由した欧州向けの天然ガス輸送は過去数日と同じ水準で続いていると明らかにした。ロシアは侵略後もパイプラインで欧州に天然ガス輸出を続け、経由地のウクライナに通過料を払い続けている。
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