【NQNニューヨーク=横内理恵】7日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、前日比234ドル21セント(0.60%)安の3万8763ドル45セントで終えた。週初にかけて急落していた後で、短期的な戻りを見込んだ買いが先行した。米長期金利が上昇するなかで買いが続かず、ダウ平均など主要株価指数は午後に下げに転じた。
ダウ平均は午前に480ドル上昇する場面があった。6日終値は7月末を1800ドルあまり下回っており、短期的に売られすぎとの見方からの買いが入った。日銀が追加利上げに慎重になるとの観測から、7日の東京株式市場で日経平均株価が続伸した。外国為替市場では円が対ドルで一時1ドル=147円台後半に下落し、「円キャリー取引」の急激な巻き戻しが一服していたことも安心感につながった。
午後に入るとダウ平均は急速に伸び悩み、下げに転じた。このところ金利の変動が大きく、先行きが不透明になっていることから7日の10年債入札が低調な結果となり「米長期金利が上昇(債券価格は下落)し米株の売りにつながった」(Bライリーのアート・ホーガン氏)との見方があった。
10年債利回りは週初に1年2カ月ぶりに3.6%台後半に低下したが、過度な米景気懸念が後退していることもあって7日には一時3.97%に上昇した。投資家のリスク許容度が低いこともあって金利変動が嫌気された。米長期金利の上昇は株式の相対的な割高感につながる。
ダウ平均の構成銘柄では6日夕発表の四半期決算で1株利益が市場予想に届かなかったアムジェンや、7日発表の決算でテーマパーク事業が低調だったウォルト・ディズニーが売られた。ホーム・デポやインテルも安い。一方、アップルやセールスフォースが上昇した。メルクやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)なども買われた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。前日比171.049ポイント(1.04%)安の1万6195.806と5月上旬以来の安値で終えた。エヌビディアやテスラの下げが目立った。
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