米ハワイ諸島、マウイ島・ラハイナ
102人が死亡した米ハワイ州マウイ島の山火事は8日(日本時間9日)で発生から1年。甚大な被害を受けた西部の古都ラハイナでは、焼け落ちた家屋などの灰やがれきの撤去が進み、焼け跡の多くが更地になった。町の復興は見通しが立たず、住まいを転々とした被災者は「いつまでも待てない」と焦燥感を募らせている。 「本当になくなったんだ」。1988年からラハイナに住む江木百合子さん(73)=神奈川県出身=は6月ごろに更地になった自宅跡地に立ち、思い出の場所が戻ってこないことを実感したという。避難する際は最低限の物だけを持ち「次の日には帰ってこられる」と信じて疑わなかった。 娘の友人宅や賃貸物件を経て、購入したラハイナの集合住宅の一室に移ったのは2月。5回目の転居でようやく落ち着いた。「住居が定まらないことが一番のストレスだった」。 ラハイナに愛着があり、被災前にも一度島外に移り住んだが「恋しい」と1年ほどでラハイナに戻ってきた。今後について「もう少し様子を見たい」と語るが、日本に帰る考えも頭をよぎると打ち明けた。
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