難民選手団は、戦争や迫害などから逃れるため祖国を離れて難民となった選手たちに、オリンピックとパラリンピックへの道を開こうと2016年のリオデジャネイロ大会から結成されました。

これまでの最高成績は4位でしたが、今大会、ボクシング女子75キロ級でシンディ ウィナー・ジャンケウ ヌガンバ選手が準決勝まで勝ち上がり、結成されて3大会目で初のメダル獲得を決めていました。

ジャンケウ ヌガンバ選手はアフリカのカメルーン出身で、母国では法律で禁止されている同性愛者であることを公表し、イギリスで難民認定を受けています。

8日の準決勝では、世界選手権の優勝経験もあるパナマのベテラン選手と対戦しました。

第1ラウンド、ジャンケウ ヌガンバ選手はリーチの長い相手を攻めあぐね、パンチを受けてふらつく場面もありましたが、第2ラウンドは観客の大声援を受け、果敢に間合いを詰めて連打を決めるなど、試合の流れを引き戻しました。

しかし、最終の第3ラウンドは腕や首を抱え込まれて攻撃を封じられ、逆に的確にパンチを当てられて1対4の判定で敗れました。

それでも難民選手団として初のメダルとなる銅メダルを確定させ、観客に手を挙げてこれまでの応援に感謝していました。

UNHCRは、世界の難民はおよそ3800万人いるとしていて、ジャンケウ ヌガンバ選手の試合後、SNSに「あなたは歴史を作った。この上なく誇らしい」と投稿し、困難を乗り越えてつかんだ栄光をたたえました。

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