航空機が墜落した現場(10日)=AP

【サンパウロ=共同】ブラジル南東部サンパウロ州ビニェドで9日、乗客乗員計62人を乗せた旅客機が墜落した。地元メディアによると、全員が死亡した。ボエパス航空が運航し、南部パラナ州カスカベルからサンパウロ近郊のグアルリョス空港に向かっていた。機体は住宅街に墜落し、大破して炎上した。

一部の住宅が損傷したが、住民の被害は確認されていない。

近隣住民が撮影したとみられる動画には、旅客機がらせんを描くように落下する様子が写っていた。ボエパス航空によると、出発前、旅客機に問題はなかったという。

在サンパウロ日本総領事館によると、邦人の被害はない。地元メディアによると、旅客機は欧州メーカーATRのプロペラ機「72-500」。9日午前11時50分ごろに出発し、異常などを報告することはなかったが、午後1時21分以降は管制塔の呼びかけに応じなかった。その直後に墜落したとみられる。

地元メディアは現役パイロットや専門家の分析として、翼に氷が蓄積したり、翼や部品が損傷したりして制御を失った可能性があると報じた。警察や航空当局は操縦士の会話や飛行状況を記録した「ブラックボックス」を解析するなどして事故原因を調べている。

ルラ大統領は9日、犠牲者を追悼するため3日間の服喪を宣言した。ボエパス航空は9日、乗客乗員の数を61人と発表したが、10日になって62人と訂正した。搭乗者確認に関する技術的な問題が原因としている。

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