【バンコク=藤川大樹、北京=石井宏樹】クーデターで実権を握ったミャンマー国軍のミンアウンフライン総司令官は14日、首都ネピドーで、中国の王毅(おうき)政治局員兼外相と会談した。両国の国境地帯の安定やオンライン詐欺の撲滅での連携で一致。国軍が来年の実施を目指す総選挙に向けた準備などについても意見を交わした。  中国外相のミャンマー訪問は、昨年5月の秦剛(しんごう)・前国務委員兼外相以来。ミャンマー国軍や中国外務省の発表によると、会談には、鄧錫軍(とうしゃくぐん)アジア事務特使や孫衛東(そんえいとう)外務次官、馬珈(まか)駐ミャンマー中国大使らが同席した。  中国と国境を接する北東部シャン州では昨年10月、三つの少数民族武装勢力が国軍への一斉攻撃を開始。今年1月、中国の仲介により一時停戦で合意したものの、戦闘が再開した。  王氏は会談で「中国はミャンマーの独立と主権を断固として支持する」とした上で「シャン州の町や村に対する少数民族武装勢力の攻撃に反対する」と強調。中国の巨大経済圏構想「一帯一路」のプロジェクト推進や両国間の石油ガスパイプライン事業での協力深化を訴えたという。  王氏はまた、旧軍事政権トップのタンシュエ氏やテインセイン元大統領とも会談した。王氏の訪問に先立ち、鄧氏が今月8日、ネピドーを訪れ、ミンアウンフライン氏と会談した。 

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