ガザ地区では、イスラエル軍がハマスの壊滅を掲げて軍事作戦を続けていて、現地の保健当局の発表によりますと、これまでの死者は4万人を超えました。
こうした中、アメリカなどの呼びかけでガザ地区の停戦と人質の解放に向けた協議が仲介国カタールの首都ドーハで15日から始まりました。
今回の協議をめぐっては、イスラエル側が現地に交渉団を派遣したのに対し、ハマス側は参加しないとしていますが、ロイター通信によりますと、イスラエルの出方次第では仲介者と面会する意向も示しているということです。
これについて、アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は15日、記者団に対し「協議の再開は重要な一歩でここに至るまでにすでにいくつかの見解の相違を埋めることができた」と述べた上で「協議内容は複雑で、やるべきことはまだたくさんある」として、協議は翌16日も続くという見通しを示しました。
また、今回の協議にハマス側が参加していないことについては「これまでの協議でも仲介国が話し合った内容をハマス側に伝えて、回答を待つという形だった」として、協議のプロセスに問題はないという認識を示しました。
ガザ地区の停戦に向けた協議は、先月、ハマスの最高幹部が殺害されたことを受けてイランが宣言しているイスラエルへの報復に影響を与える可能性もあり、イスラエルとハマスの間の合意に向けた糸口を見いだせるかが焦点です。
国連人権高等弁務官「世界にとって痛ましい節目の日」
イスラエル軍の攻撃が続くガザ地区での死者が4万人を超えたと現地の保健当局が発表したことについて、国連人権高等弁務官事務所のトップ、ターク人権高等弁務官がコメントを出しました。
このなかでターク氏は「世界にとって痛ましい節目の日となった。死者のほとんどは女性と子どもたちだ。この想像を絶する状況は、イスラエル軍が戦争のルールを守らずにいることによるところが圧倒的に大きい」と述べ、国際人道法で定められた民間人の保護に反していると非難しました。
そのうえで「すべての当事者に対して、即時停戦に合意し、武器を置いて殺し合いを完全にやめるよう強く求める」と呼びかけました。
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