イスラエル北部 自治体や病院が住民守る備え進める

イスラエル北部ではイスラム組織ハマスの最高幹部の殺害を受けたイランの報復や、イランが支援しレバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織、ヒズボラからの攻撃への警戒が続いていて、地元自治体や病院が住民を守るための備えを進めています。

このうちレバノンの国境から30キロほど南にある北部のハイファの市役所では、地下に設けられたシェルターに救急などの通信指令室を設置していて、18日、メディアに公開されました。有事の際に、対応できる職員を増やそうと、訓練も兼ねて、さまざまな部署のスタッフが交代で勤務にあたっているということです。

また、公立のランバム病院では、地下駐車場に2000床のベッドが備えられ、手術を行うスペースも4か所設けられたほか、医療活動が続けられるよう燃料の備蓄も行っているということです。

病院のハルベルタル院長は2006年に起きたイスラエルとヒズボラの大規模な戦闘では周囲にもミサイル攻撃があったとしたうえで「二度と患者やスタッフを危険にさらさないと誓った。ここは世界最大の地下病院だ」と述べ、対策は万全だと強調していました。

ハイファで記者団の取材に応じたイスラエル軍の報道官は「ヒズボラは無差別なロケット弾攻撃などでイスラエルの日常生活をかき乱したいだけだ。この2週間で緊張はかなり高まっていて、数日後に何が起こるかは定かではない」として警戒感をあらわにしていました。

ブリンケン国務長官がイスラエルに到着

アメリカのブリンケン国務長官が18日、イスラエルに到着しました。19日にはネタニヤフ首相と会談し、ガザ地区での停戦と人質の解放に向けた協議の進展を働きかけるものとみられます。

ただ、イスラエルのネタニヤフ首相は、18日の閣議で「ハマス側は協議の場に代表も送らず、かたくなに話し合いを拒否している。ハマスに対する強力な軍事的圧力と政治的圧力こそが人質解放への道だ」と述べ、強硬な姿勢を崩していません。

こうしたイスラエルの姿勢にハマス側は反発を強め、恒久的な停戦とイスラエル軍のガザ地区からの撤退が保証されなければ合意はありえないとの立場を繰り返し主張しています。

アメリカは停戦に向けた新たな協議を今週末までに仲介国のエジプトで行い、合意を目指す考えを示していますが、協議は難航が予想されます。

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