【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザ当局は22日、ガザ南部ハンユニスのナセル病院の敷地で、同日までに283人の遺体を「集団墓地」から収容したと発表した。イスラエル軍が2月以降、ナセル病院に突入して激しい攻撃を加え、その後撤収していた。
ガザ当局は軍がパレスチナ人を処刑後、地中に埋めて隠そうとしたと非難し、国際刑事裁判所(ICC)に捜査を要求した。
ガザ当局によると、墓地は少なくとも3カ所あり、手錠をかけられたり、服をはぎ取られたりした遺体もあった。収容作業を今後も続けるとしている。軍はイスラム組織ハマスの戦闘員が潜伏しているとし、病院攻撃は正当だと主張していた。
一方、軍が計画するガザ最南部ラファへの地上侵攻について、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)電子版は22日、事前の市民退避を2〜3週間で終え、戦闘は「少なくとも6週間続く」と報じた。エジプト当局者の話としている。
国際社会は、避難民ら約120万人が密集するラファへの侵攻を自制するよう促しているが、イスラエルは人質解放とハマス壊滅には侵攻が不可欠だと主張している。
WSJによると、軍はラファ侵攻に先立ち、市民をハンユニスなどに退避させ、テントや食料配給所、野戦病院のような医療施設を設ける計画。侵攻は段階的に実施し、ハマスの幹部や戦闘員が潜伏しているとみている場所を攻撃するという。
イスラエル軍は22日、昨年10月のハマスによる奇襲を防げなかったとして、軍情報局長が引責辞任すると発表した。軍は23日もガザへの攻撃を継続。ガザ保健当局は23日、戦闘開始後のガザ側死者が3万4183人に上ったと発表した。
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