【マニラ=共同】フィリピン政府は24日、南シナ海のスカボロー礁上空を19日に定期巡回飛行していたフィリピン漁業水産資源局の航空機付近で中国軍の戦闘機がフレア(火炎)を複数回放射し、乗員の命を危険にさらしたと発表した。航空機から約15メートルの至近距離に放射されたという。
スカボロー礁は中国に実効支配されているが、フィリピンの排他的経済水域(EEZ)にある。8日にも上空を定期巡回飛行していたフィリピン空軍機の付近に中国軍機2機がフレアを放射したばかり。
フィリピン政府によると、中国が実効支配する南シナ海のスービ礁でも22日、上空を巡回飛行していた漁業水産資源局の航空機付近に中国側が地上からフレアを放射した。巡回飛行は密漁者の監視のため沿岸警備隊と連携して実施したという。フィリピン政府は「挑発的で危険な行動の即時停止」を中国に求めた。
フレアは一般的に敵の誘導ミサイルの赤外線探知をかく乱するため軍用機に装備されているものを指す。スービ礁の「フレア」は地上からの放射としており、どのようなものかは不明。
スービ礁は中国が人工島を造成し、3千メートル級の滑走路を整備しているが、中国の領有権は国際的に認められていない。約25キロ離れたパグアサ島はフィリピンが実効支配し、緊張が続いている。
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