中国を訪問中のサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は27~28日、中国外交部門トップの王毅(ワンイー)・共産党政治局員兼外相と会談した。台湾問題やロシアのウクライナ侵攻など、米中間の懸案をめぐって協議した。

 サリバン氏の大統領補佐官としての訪中は初めて。米中両政府によると、「率直で実質的、建設的な議論」を進めた。米政府の28日の発表によると、今回の会談では、米中間の意思疎通を維持することを確認した。数週間以内に米中首脳による電話協議を実現するため、調整を進めている。

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 サリバン氏は、台湾海峡の平和と安定の維持の重要性を改めて伝えた。また、中国によるロシアの防衛産業への支援にも懸念を示した。南シナ海における、中国のフィリピンに対する行為にも懸念を示した。

 一方、中国外務省の28日の発表によると、王氏は台湾や南シナ海の問題をめぐる中国の立場を強調したうえで、相互尊重の原則に基づいて「中米関係の安定的で健全な発展を進めるべきだ」と述べた。双方はハイレベルの対話を続けることで一致したとし、中東や朝鮮半島の情勢についても議論したという。

 サリバン氏は29日までの日程で訪中している。(清宮涼、北京=畑宗太郎)

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