ウクライナ・スムイ州の収容施設で話すロシア兵の戦争捕虜セルゲイ=8月28日(共同)

 【スムイ州共同】ウクライナによるロシア西部クルスク州への越境攻撃で、投降した複数のロシア兵が1日までに「攻撃は全く予想外だった」「十分な訓練なしに前線に投入された」と共同通信に証言した。越境攻撃による捕虜が日本メディアの取材に応じたのは初めて。ロシアが拘置所で強引に新兵を確保し、わずかな期間の訓練で任務に就かせている実態が明らかになった。  兵士セルゲイ(23)は8月24日、クルスク州スジャ郊外で捕虜となった。どことなくあどけなさが残る青年は、7月に入隊したばかりだった。  6月、第2の都市サンクトペテルブルクで麻薬取引に関わった疑いで逮捕された。「10年間刑務所暮らしをする覚悟があるか」。拘置所での初日、捜査官から月20万ルーブル(約30万円)の報酬で1年間軍務に就けば、罪に問われないと説明された。「人生を無駄にしたくない」と思い、軍と契約した。  約1カ月の訓練を経てクルスク州に配属された。直後、突然の攻撃が始まり防戦一方に。野原に逃げ込んだものの、足と肩を負傷し8月24日に投降した。


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。