米ウォール街=AP

【NQNニューヨーク=稲場三奈】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比91ドル46セント安の4万0883ドル51セントで推移している。米労働市場の減速感が強まっている中、景気の先行きへの警戒から売りが出ている。半面、主力ハイテク株の一部には買いが入っており、相場を支えている。

5日朝発表の8月のADP全米雇用リポートは非農業部門の雇用者数が前月比で9万9000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(14万人増)に届かなかった。4〜6月期の雇用コスト指数(改定値)は前期比0.4%上昇に下方修正され、市場予想(0.8%上昇)を下回った。一方、週間の新規失業保険申請件数は22万7000件と、市場予想(22万9000件)を下回った。

ADP統計が市場予想を下回ったことを受け、市場では「6日発表の8月の米雇用統計も市場予想から下振れする可能性がある」(LPLファイナンシャルのジェフリー・ローチ氏)との見方があった。労働市場が想定以上に減速しているとの懸念は株売りにつながった。

ダウ平均は上昇する場面もある。米連邦準備理事会(FRB)が9月から利下げを始め、米景気を支えるとの見方は根強い。5日の米株式市場ではこのところ下げが目立っていた主力ハイテク株に買いが戻っており、指数を支えている。

個別では、アマゾン・ドット・コム、インテルやアップル、メルクなどが高い。半面、ユナイテッドヘルス・グループやキャタピラー、ホーム・デポは安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発して始まった。テスラが高い。2025年1〜3月期にも欧州と中国で運転支援機能「フルセルフドライビング(FSD)」を実用化する方針を示し、材料視されている。

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