越境攻撃開始から1か月
ウクライナの無人機製造メーカーCEOは
プーチン大統領は5日、極東のウラジオストクで開かれている国際会議、「東方経済フォーラム」の場で、ウクライナ軍がロシア領内で続けている越境攻撃について「敵の目標は、ロシア軍部隊を再配置させ、主にウクライナ東部、ドンバス地域でのわれわれの進軍を止めることだったが、成功しなかった」と述べました。その上で「わが軍は状況を安定化し、敵を国境地帯から少しずつ追い出し始めた。敵は訓練された大規模な部隊を国境地帯に移すことで、重要な地域で弱体化し、われわれは攻撃作戦を加速させた」と主張しました。また「祖国防衛の必要性を感じる人が増え、軍と契約する人も増えた」と述べ、ウクライナはロシア社会の不安定化をねらったものの、逆にロシア社会の団結は強まったと強調しました。さらにウクライナとの和平交渉の仲介役となりえる国として中国、ブラジル、インドの3か国をあげ「われわれはこれらの国々の指導者と信頼関係を築いている」と述べました。
ウクライナで飛行距離の長い無人機を製造しているメーカーのCEOがNHKの取材に応じ「敵に対して優位に立てるものはすべて使う必要がある」と述べ無人機の性能をいっそう高めウクライナ軍の勝利に貢献したい考えを強調しました。NHKの取材に応じたのは、ウクライナ国内にある無人機の製造メーカーです。製造拠点の場所などを明かさないことを条件に取材が許可されました。主力製品は、翼の幅が3メートルほどで重さが20キロあまりの無人機です。このメーカーでは災害対応などで使われる無人機の開発に取り組んできましたが、2014年にウクライナ東部でロシア側との戦闘が始まってからは5年かけて軍用も可能な無人機を完成させました。部品の90%はウクライナ製で、弾薬を搭載して攻撃用に使われるだけでなく、偵察などにも活用されているということです。改良を重ねて、最長で3000キロ飛行することも可能だとしています。こうした点が評価されウクライナ軍にも採用され、ロシア西部クルスク州への越境攻撃を含めさまざまな前線で使われているということです。
メーカーのロマン・クジャニェンコCEOはNHKの取材に対し「われわれの哲学は、機体を限りなく小型化することだ。同時に、性能を維持する。いま、それに成功しつつある」と述べ、戦場で標的にされにくい、無人機の小型化に力を入れ成果が出ているとしています。そして「人の命を救い、敵に対して優位に立てるものはすべて使う必要がある。具体的には言えないが、来年は多くの新製品が出るだろう」と述べ、無人機の性能をいっそう高めウクライナ軍の勝利に貢献したい考えを強調しました。
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