トランプ氏は2020年の大統領選の結果を覆そうとした罪で起訴されている=AP

【ワシントン=芦塚智子】米首都ワシントンの連邦地裁は5日、2021年に起きた連邦議会占拠時件へのトランプ前大統領の関与を巡る裁判で、検察側に大統領の免責に関する主張をまとめた事前書面を9月26日までに提出するよう命じた。トランプ氏が返り咲きを目指す11月の大統領選を前に、事件を巡る新証拠が開示される可能性がある。

連邦最高裁は7月、トランプ氏の大統領在任中の公務に関する行為については免責を認める判断を出し、同地裁に免責の範囲について審理を求めた。大統領選への影響を懸念するトランプ氏側は、審理手続きを大統領選後にするよう求めていた。同地裁のチャトカン裁判官はトランプ氏側の主張を退けた。

米メディアによると、検察側は免責を巡る事前書面に起訴状になかった新たな証拠や情報が含まれると表明した。チャトカン氏は、トランプ氏側の反論の書面提出期限を10月17日に設定した。

捜査を指揮した特別検察官の任命は憲法違反として起訴を却下するよう求めたトランプ氏側の主張について、トランプ氏側と検察側に10月末までに主張の書面を提出するよう命じた。トランプ氏の議会占拠を巡る裁判そのものの開始は大統領選後になることが確実になった。

トランプ氏は23年8月、連邦議会占拠事件を巡り大統領選の結果を覆そうとしたほか、結果を確定させる議会手続きを妨害したなどとして、4つの罪で起訴された。

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