米ウォール街=AP

【NQNニューヨーク=三輪恭久】6日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反発して始まり、午前9時35分現在は前日比214ドル18セント高の4万0969ドル93セントで推移している。6日朝発表の8月の米雇用統計では雇用拡大が緩やかになっている半面、大幅な悪化を示す内容ではなかった。ただ、景気悪化懸念を解消するには至らずダウは一時200ドル超安に転じるなど一進一退となっている。

非農業部門の雇用者数は前月比14万2000人増と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(16万1000人増)に届かなかった。6月と7月はいずれも下方修正し、雇用拡大のペースが鈍化していることを示した。

一方、失業率は前月の4.3%から4.2%に低下し、市場予想通りだった。平均時給は前月比の上昇率が0.4%と、市場予想(0.3%)を上回った。労働市場の急速な冷え込みを示す材料が少なかったことから、株式の買い安心感につながっている面がある。

米連邦準備理事会(FRB)が17〜18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを決めるとの見方が根強い。8月の雇用統計の結果を受けて、市場では利下げ幅を通常より大きい0.5%にするほど米経済が悪化していないとの受け止めがあった。ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は6日朝の講演で、「フェデラルファンド金利の誘導目標を引き下げることで、金融政策の制限度合いを緩めるのが適切だ」と語った。

個別では、メルクやトラベラーズが上昇。ゴールドマン・サックスやナイキ、キャタピラーにも買いが入っている。半面、インテルとアマゾン・ドット・コムは安い。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一進一退で始まった。前日夕に決算を発表したブロードコムが大幅に下落している。同業のエヌビディアも安い。

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